脇田医局長よりメッセージ
日本医科大学血液内科入局案内のホームページご覧いただきありがとうございます。
日本医科大学血液内科は、元主任教授である野村武夫先生が1980年に教室を開設し、40年以上の歴史を有する血液内科です。現在大学院教授である山口を中心に①患者さんが安心できる心のこもった医療、②直感とイマジネーションによる社会に貢献できる研究、③愛と研究心を有する血液内科医の育成を理念として教室の運営を行っています。日本医科大学付属病院は都内でも有数の血液内科の診療実績を誇り、当血液内科は造血器腫瘍のみならず良性血液疾患においても高い経験値をもっています。また、造血幹細胞移植などの特殊治療や治験の導入も積極的に行っており、大学病院の利点をいかした高いレベルのチーム医療・集学的医療を実現しています。
血液内科の臨床
血液疾患の多くは全身を侵す非常に危険な疾患です。そして患者さんにも負担の大きな治療を強いることのあるハードな医療現場です。一方で、ハードな医療現場でしか得られない経験も多くあります。血液内科の診療では“患者さんに勇気づけられる”ことが頻繁にあります。“患者さんを勇気づける”のではありません、厳しい状況で懸命に戦い生還した“患者さんに勇気づけられる”のです。この勇気づけられた経験こそが私たちの大きなモチベーションになり、後述する研究にもつながる糧となるはずです。研修を通して、多くの成功体験を共有していただけると考えています。ハードな面ばかりを強調すると、不安になる方もいるかもしれませんが、ハードな医療現場だからこそ安心できるチーム医療で患者さんを支え、チーム内で支えあいながら自由でリフレッシュできる時間を作ることが重要です。充実した病棟診療チームでのチーム内連携、日本医科大学付属病院の急変対応チームや集中治療室との連携、アレルギー・膠原病科との当直連携などにより、我々の血液内科ではサステイナブルな血液内科ライフを実現しています。
血液内科の研究
血液内科で研究を行うことの魅力は、“臨床に役立つ研究”を実践できることです。悪性腫瘍の遺伝子解析、移植治療などの再生医療、抗体医薬品の開発、今や当たり前になっているこれらの先端医療は血液内科分野から始まり広がったと言えます。日本医科大学血液内科では“臨床に役立つ研究”を実践する6つの研究グループが常に活動しています。各研究グループには医師が横断的に参加しており、例えば私の場合には急性骨髄性白血病/慢性骨髄増殖性腫瘍研究グループのグループリーダーを務め基礎研究・臨床研究に従事しながら、急性リンパ性白血病/悪性リンパ腫研究グループ、造血幹細胞移植/感染症研究グループにも所属し複数の臨床研究に関わっています。複数の研究グループに参加することにより、各疾患に対する高いレベルでのエビデンスをアップデートすることが可能であり、各グループで培われた研究技術が共有されることにより多方面での研究が活性化されています。研究業績に繋がっています。詳しい研究内容・業績については別ページを参照ください。
血液内科医で学べること
血液疾患は全身臓器に影響を及ぼすため、血液内科では患者さんの全身を把握するGeneralistとしての力が自然と養われます。我々の血液内科からは総合診療や腫瘍内科医、がん緩和医療の専門家なども多く輩出されており、Generalistとしての道を目指す方々にとっても良い研修の場と考えられます。もう一つの血液内科の特色として、臨床と基礎が直結していることが挙げられます。基礎と臨床をつなぐ“bench to bedside”という言葉がありますが、我々の医局では“bedside to bench”臨床の疑問を基礎へ運び込むことを大切にしています。基礎医学教室との風通しもよく、臨床から生じた疑問を基礎医学教室に持ち込み、そのまま研究が開始されることも日常茶飯事です。血液内科には修士課程を修了した医師や、海外留学で研鑽を積んだ医師も多く在籍しており、研究を身近に感じることができます。疾患のSpecialistを目指す方々にとっても良い研修の場と考えられます。
日本医科大学血液内科医局の特徴
医局員紹介を見ていただいてもわかるように医局の約半数は日本医科大学の外部からで医学教育、研修を積んだ医師で構成されています。入局の年齢、入局までの経歴、入局の理由も様々で、多種多様なキャラクターを持った医師がやりがいをもって楽しく働いています。医局は臨床・研究・教育を推進する大学機関の一部ですが、医局員の生活をまもる屋台骨でもあります。重篤な疾患、責任ある研究を担う血液内科医の仕事を充実させ負担を軽減するため、我々の医局ではライフプランに合わせた研修・業務を提案しています。ぜひ「医局員からのメッセージ」も読んでみてください。多くの医師が、支えあいながら、やりがいをもって楽しく『血液内科ライフ』を謳歌しているのが伝わってくると思います。こうしたひとりひとりの医局員の多様性こそが我が日本医科大学血液内科の最大の強みであり、組織としてタフでいられる所以であると思っています。
血液内科学に興味があり、ほんのひと握りのガッツを持ち合わせているのなら何も躊躇する必要はありません。このホームページを読んでいただいた若い(若くなくても構いません)先生が一人でも多く私たちの仲間になってくれることを期待しています。
医局についての質問、臨床・研究内容についての問合せ、入局の相談などいつでも御連絡ください。
日本医科大学 血液内科
医局長・講師 脇田 知志