診療サービス

由井 俊輔 病棟医長よりメッセージ

日本医科大学付属病院血液内科病棟医長の由井と申します。ここでは、私たち血液内科の特色についてお話させていただきます。
日本医科大学付属病院の血液内科病棟では、現在スタッフ医師と研修医、合わせて10名程度の体制をとり、日々およそ40-60人の血液疾患の入院患者さんの診療にあたっています。一般病棟のほか、無菌病室を6床備えており、造血細胞移植を年間約30例行っています。2014年11月に新病棟がオープンし、無菌室も全て新しくなりました。
血液内科は重篤な患者さんが多く、移植治療などといった特殊な治療を行っていることから、看護スタッフはもちろんのこと、口腔科、リハビリテーション科、薬剤部、緩和ケア部門、メンタルケア部門などと緊密な連携をとり、その他の診療科とも忌憚なく意見交換を行えるような診療体制を整えています。
診療は3つのグループに分かれており、1つのグループは3人~4人の医師で構成されております。1人医師が10程度の患者さんの主治医となり、同じグループの医師がお互いサポートしながら診療しております。診療科全体のカンファレンスのほか、グループカンファレンス、移植患者カンファレンス、骨髄検鏡カンファレンス、ジャーナルクラブなどを週に1回ずつ行っており、患者さんの状態を多くの医師が的確に把握し、治療方針の決定をおこなうとともに、医師一人一人のスキルアップと知識の向上を目指しています。
学生教育も当科の大切な任務です。疑問を持ち、自分で調べることの大切さを学び、総合的診察能力を身につける契機になるような実習を心がけています。新型コロナウイルスの影響で、病棟での実習が困難となっておりますが、我々の日常診療に近いものを体感してもらえるような構成を考えています。
研修医や他科の専攻医に対しては広く門戸を開いています。血液内科は腫瘍内科学の主要な柱の一つであり、さらには感染症や細胞療法といった広い分野を扱います。血液内科での研修を通じて、癌治療一般についての知識を身につけると同時に、患者さんの体に起こる一つ一つの問題を詳細にアセスメントし他科と連携しながら的確に解決してゆくことのできる、総合診療能力を身につけることを目標としています。重篤な患者さんを診療する機会が多く、大変だと感じることもある半面、つらい治療をくぐりぬけて病気を克服された患者さんが病棟へ訪ねてきてくださったときの喜びは言葉では言い表せないものがあります。研修医や他科の専攻医のみなさんにも是非私たちとその思いを分かち合っていただきたいと思います。
患者さんに真摯に向き合うことができ、豊富な知識と経験を備え、チーム医療の一員として皆と協調して診療にあたることのできる医師を育成することが、私たちの使命であり願いです。日々の診療はもちろん、診療から生まれた疑問を解決するための研究、学生や若手医師の教育に力をそそぎ、一人でも多くの“良き医師”を育成するために私たちは勇往邁進いたします。
血液内科 病棟医長
由井 俊輔