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造血幹細胞移植に関して 由井俊輔

日本医科大学血液内科では、1995年から造血幹細胞移植を治療に取り入れています。
1995年に田近賢二先生が東京大学医科学研究所より当院に戻られ、造血幹細胞移植治療の基盤を構築しました。はじめは自家末梢血幹細胞移植が中心でしたが、1998年より、血縁者間での同種造血幹細胞移植を開始しました。また2000年には臍帯血バンクの登録病院に、そして翌2001年には骨髄バンクの認定施設となり、非血縁者間での同種移植を開始しました。現在、年間で約20例の移植を行っており、2018年4月現在、移植総数は400例を超えました。移植の対象となる疾患は、急性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、再生不良性貧血などです。移植における当院の特徴の一つとして、臍帯血移植を治療の選択肢のひとつとして積極的に取り入れているということが挙げられます。さらに近年は、ハプロ移植を行っている施設と連携をとり、患者さんのよりいいタイミングでの移植が可能となっております。

また現在研究面においては、

  • 急性骨髄性白血病における遺伝子変異解析(移植適応における遺伝子変異解析の有用性)
  • 悪性リンパ腫への自家末梢血幹細胞移植時の前処置の検討
  • 移植症例での運動機能評価
  • 移植症例での粘膜障害と味覚障害の評価

などを行っています。

当院では、無菌室6床、スタッフ医師医10名+研修医という体制で診療にあたっています。 骨髄バンクの連絡責任医師は山口博樹、由井俊輔。 骨髄バンク移植調整医師はこの二人に加え脇田知志、阪口正洋、大森郁子が担当しています。

当院における年次別移植件数の推移

移植成績

代表的な疾患である急性白血病(リンパ性、骨髄性)の移植成績を示します。

急性リンパ性白血病の移植全生存率は5年で約40%でした。
(SCT+: 移植症例、SCT-: 非移植症例)

急性骨髄性白血病の移植全生存率は5年で37%です。

さらに、上記の成績を、移植時の病勢ごとで比較します。寛解期における急性骨髄性白血病に対する臍帯血移植の成績は、5年全生存率が約90%と非常に良好な成績が得られています。また非寛解期の症例であっても、5年全生存率が約40%の成績が得られています。
(CR: 寛解期、non-CR: 非寛解期)

当院では、移植に関連するセカンドオピニオン外来を水曜午後(担当 山口博樹)に設けております。
セカンドオピニオンを希望される方は来院前にお電話で予約状況をご確認ください。

移植400症例記念祝賀会の開催

2018年5月27日に移植400例達成を記念したパーティを、お茶の水の東京ガーデンパレスホテルにて挙行いたしました。当日は、現役スタッフはもちろんのこと、OB,OGの方々、さらに当科で移植を受け元気になられた患者さんに至るまで、総勢約70名での盛大な会となりました。さまざまな思い出話に花が咲き、とても和やかな会でした。400例の移植に至る一つ一つの経験が、現在の血液内科のかけがえのない財産となっているのだなと改めて感じます。

今後もスタッフ一丸となって、新たな100例へ向けて日々邁進してゆく所存です。
平成30年7月 由井俊輔

電話番号医療連携室
03-5814-6451
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